Tokyo
006

ゴミひとつない道

東京駅の玄関口、行幸通り

皇居から東京駅へとまっすぐ続く行幸通り。正式名称は「東京都道404号公共前東京停車場線」といい、和田倉門から東京駅前まで幅73メートルの道が続く。大正15年に関東大震災復興再開発事業によって誕生し、2010年に再整備が完成。現在は、幅30メートルの中央帯を皇室行事と外国大使の信任状捧呈式に使用する道として、馬車と歩行者のみ通行が開放されている。ふだんは丸の内のビジネスワーカーや観光客で賑わうこの通り、気づけばほとんどゴミが落ちていない。それは東京の玄関口である東京駅や丸の内周辺を、誇りを持ってきれいにしようと心がけている人たちの存在があるから。

東京駅の玄関口、行幸通り
クリーン活動で東京の玄関口はいつもきれいに。

街を愛する700人が参加するクリーン活動

行幸通りを含む丸の内エリアを「東京の顔」としてきれいにする活動はいくつかあるが、「東京駅周辺キラピカ作戦」もそのひとつ。2002年にJR東日本東京駅内の事業者が集まり、自主的な清掃活動として東京駅構内から始まった。少しずつ清掃範囲と参加事業者が拡大し、現在は丸の内周辺・八重洲・日本橋・京橋エリアにまで拡大。この活動は年に数回実施され、東京駅のスタッフや周辺のオフィスで働く人など総勢700人が、ゴミ拾いなどの清掃活動に参加している。

街を愛する700人が参加するクリーン活動
時間帯によっては、意外とゴミが落ちていることも。

清掃が街のコミュニケーションに

日中、丸の内エリアの環境整備をしている「クリーンアテンダント」は、同時にこの街の案内業務も兼ねている。「街をきれいにしながら、観光でいらっしゃった方に丸の内のガイドも行なっています」。海外からの観光客も多いこのエリア。「和食が食べたい」という希望があれば、地図を片手に店舗を紹介することもあるという。掃除をしながらエリアガイドもする姿に外国人観光客が感動し、一緒に写真を撮って欲しいとお願いされることもあるのだとか。東京に訪れる人たちを、ゴミひとつない街で迎えたい。Tokyo Goodは、国境をこえて伝わっていく。

清掃が街のコミュニケーションに
毎日すれ違うビジネスワーカーと挨拶をしていく。

データ

いつ始まったの? 2010年に行幸通りの再整備が完了。
どこで体験できるの? 皇居前の和田倉門から東京駅丸の内中央口まで。
おすすめの時期や時間帯は? 銀杏並木が美しい、新緑の春、紅葉の秋。
数字的データ 道路延長:約190メートル
道路幅員:全体73メートル(車道含む)
     中央帯30メートル
注意事項 日光を遮るものがないため、冬は寒く真夏はかなりの暑さになる。冬は完全防寒で。保水性舗装と散水設備整備によるヒートアイランド対策済みだが、夏は熱中症対策が必須。