Tokyo
015

譲り合う市民ランナー

ランナー人口約1,000万人

公園や皇居外周などで見かけるランナーたち。鮮やかなウェアに身を包み、トレーニングをする姿は、すでに日常の風景だ。スポーツ庁の調査では、この1年間に行った運動・スポーツは「ウォーキング」「体操」「トレーニング」に次いで10.4%が「ランニング・マラソン・駅伝」と回答している。笹川スポーツ財団は、年に1回以上、ジョギングやランニングを行う人は、2014年は986万人と推計。東京マラソンスタート前の2006年(606万人)に比べて、380万人増加している。

ランナー人口約1,000万人
追い抜くときには一声かけて。

皇居ランナーたちの決まりごと

競技人口が増えると、気になってくるのはランナーたちのマナー。ランニングの人気スポット、皇居外周ではランナーたちが一列に並んで走ったり、譲り合ったりするシーンが見られる。。2010年に、増加する皇居ランナーに対し、皇居周辺のランニングステーションやスポーツショップが集まり「皇居ランナーのマナー 10の宣言!」を提案。ベテランのランナーが行っていたマナーを、初心者にも呼びかけ浸透した。反時計回りに走ること、狭い場所の一列走行、追い抜き・追い越しの際の声かけ、ゴミの持ち帰りなど、ランナー同士はもちろんのこと、歩道を利用する歩行者、観光客だれもが快適に過ごせるような心がけだ。皇居ランナーのひとりに話を聞くと、歴史と自然豊かな皇居でのランニングを続けるために、今ではひとりひとりがマナーを守っているとのこと。

皇居ランナーたちの決まりごと
笹川スポーツ財団「スポーツライフに関する調査」(2014)より作成

明治から始まった市民マラソン

日本で最初に行われた市民マラソンは、1909年(明治42年)神戸から大阪の淀川大橋までの32kmを走る「マラソン大競争」だった。その後、1964年の東京オリンピックで円谷幸吉が銅メダルを獲得し、マラソンは一躍脚光を浴びる。近年、市民ランナーの増加に拍車をかけたのが、2007年の東京マラソンの開始と、2008年から始まった特定健診・特定保健指導(通称・メタボ健診)と言われている。それによりランニングは健康的なライフスタイルの一環となった。現在、日本各地で5,000人以上の市民マラソン大会が200近く開催されている。みんなのGOOD MANNERで、楽しく走って健康的な毎日を。

データ

いつ始まったの? 日本での市民マラソンの開始は、1909年(明治42年)神戸から大阪の淀川大橋までの32kmを走る「マラソン大競争」。
どこで見ることができるの? ランナーたちのGOOD MANNERは、皇居外周や代々木公園で見られる。
おすすめの時期や時間帯は? 朝、昼、晩。ノー残業デーにはランナーが増加。
数字的データ 年に1回以上ジョギング・ランニングを実施する人数(2014年)
成人男性 647万人(推計)
成人女性 327万人(推計)
笹川スポーツ財団「スポーツライフに関する調査報告書」(1998〜2014年)より
注意事項 ランニングを楽しむにはローカルルールが存在する場合も。公園やその場所のホームページに記載されていることもあるから事前確認しておくと安心。基本は歩行者優先、交通ルールを守ること。心の余裕を持って楽しみたい。