2017.07.12
実施報告:市民大学マナークリエーション講座
日本橋街大學(5)「英語によるおもてなしをめざして。」

7月6日、日本橋街大學とTokyo Good Manners Project(TGMP)は『英語でレッスン! 外国人に教える和食の基本』の第1回目(全3回)を日本橋三越・新館9階カルチャーサロンにて開催しました。
さまざまな国に友人を持つ方や、インバウンドに向けたイベントの通訳をはじめる方など、国際色豊かな受講生たち。英語によるおもてなしをめざして、和食の知識と英語をより密接に結びつける講義へ臨みました。
講師は秋山亜裕子(Buddha Bellies Cooking School Tokyo代表)さん。受講者たちは導入として、調味料や調理方法の内容を伝えるためのワードやセンテンスの表現力を広げました。
さらにこの講座は和食をとおして食に関するマナーを自ら意識する、食事中のマナーを海外の方に知ってもらうという趣意もあり、秋山さんは「宗教的、文化的な配慮の重要性」を説きました。なぜならお酒や特定の食材を口にできない――、例えばお肉を切った包丁やまな板の使用を禁じている――など、相手によって食文化の慣習はさまざま。そのため、「相手の宗教観や文化的背景にあわせて和食を教える、和食でもてなす。そういう心配りを大切にしてほしい」と受講生たちに伝えました。

第2回、3回目は表現力をさらに高めていくための「実践的なインプットとアウトプットの繰り返しを徹底していく」と秋山さん。受講生たちも「復習と予習をして臨む」と意欲満々。
170706_02
170706_03

熱心にメモをとる受講生たち。
170706_04
食物アレルギーの有無を必ず訊くこと、調理器具の取り扱いなど、食材や調理に対する慎重さもおさらいしたほか、「和食をとおして日本の文化を学んだり、観光もモノから参加型や体験型のコトに変わってきている」とここ数年のインバウンド傾向も話題に。

170706_05
【Buddha Bellies Cooking School Tokyo代表 秋山亜裕子さんのコメント(談)】
料理が並びはじめるとすぐに手をつけてしまう海外の方もいらして、日本のように料理や食卓を囲む相手が揃ってはじめて「いただきます」と手をつける習慣にとても驚かれます。
ほかにも、食事をしていないときのお箸の置き場所は常にいちばん手前で横向き、お箸の袋で箸置きをつくる、料理を口にはこぶ際に手を下にまわしてサポートする、これらは日本ではきれいな所作でありマナーです。海外の方にとっては無駄な動きに見えてしまうそうですが、実践してみると意外としっくりくるようです。和食の美しさを求めて、味、出汁の取り方、マナーを体験、学びにくる方は年々増え続けています。
日本では当たり前のマナーも、国によっては当てはまらないこともあります。例えば、割り箸をこすりあわせることを幼い頃から躾として習慣づけている国もあります。
ですから、マナーの線引きは難しいと感じますし、一方的であってはならないとも思っています。

リンク: 日本橋街大學

過去の日本橋街大學マナークリエーション講座
第1回 「粋マナー、粋な笑い、知的好奇心」
第2回 「伝統文化は遺産ではなく、日常生活で活かしていくもの」
第3回 「江戸情緒溢れる町並み佐原散策 ~神職に学ぶ参拝作法と古民家ランチ~」
第4回 「串打ち3年、割き8年、焼きは一生、好奇心も一生、笑いも一生」