2017.09.28
実施報告:市民大学マナークリエーション講座
シブヤ大学(3)「クイズ! 合理的配慮 ~知的障害のある人たちの日常から考える~」

合理的配慮とは、障害のある人が障害を持たない人と同様に暮らせるよう、個々の障害の特徴や場面に合わせた配慮を行なうこと。
「難しく考える必要はなくて、身近なところから心配りをしてもらえたら」。
そう話すのは、NPO法人渋谷なかよしぐるーぷで事務局長を務める浦野耕司さん。今回のシブヤ大学×Tokyo Good Manners Project(TGMP)のマナークリエーション講座『クイズ! 合理的配慮 ~知的障害のある人たちの日常から考える~』(9月16日開催)では、講師の浦野さん、知的障害のある人の生涯学習活動をしている渋谷区はたがや教室GAYAのメンバーにも協力いただき、クイズ方式で“合理的配慮”を考えました。
クイズは、
Q:ホームには危険がいっぱい。どうしたらよいでしょうか?
Q:トイレに関して。どんな配慮が必要でしょうか?
などなど。
答えはひとつではないようで、さまざまな配慮を挙げる受講者たち。またメンバーたちも自分に置き換えて答えるなど、クイズは多くの学びや気づきにつながりました。さらにメンバーたちに生活や体験を紹介してもらいながら、受講者たちも質問を重ねるなど、講座は活発な意見交換の場にもなりました。
「見守ることも配慮のひとつだと学べてよかった」「自分のできる範囲からはじめたい」と受講生たち。
「相手に合わせようとして自分が無理をしてしまう。これは合理的配慮とはいえません」と浦野さん。「お互いの負担にならない程度でその人に合わせた心配りが大切。それが誰にとっても暮らしやすいということではないか。正解はひとつではなく、障害のある人の数だけ、たくさんあります」。

【講座風景】
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講座の冒頭では、電車内の7人がけシートに見立て、両端がすでに埋まっている設定で参加者全員に好む場所に座ってもらいました。
「なぜそこに座ったのか。それぞれに理由があり、またすでに座っている人がどう思うのか。つまり配慮とはお互いのことを考えて、はじめて行なわれることです」と浦野さん。

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質問や意見をとおして、講師の浦野さんと合理的配慮を考える受講生たち。
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クイズではさまざまな配慮が挙がり、またGAYAのメンバーたちと受講者たちの活発な意見交換も行われました。
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クイズに答えるとカードが渡され、獲得枚数によってすてきな景品が!!

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景品は渋谷なかよしぐるーぷの子どもたちがデザインしたトートバッグと、活動で作っているポストカード!!

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NPO法人渋谷なかよしぐるーぷ事務局長・浦野耕司さんのコメント(談):そっけない素振りをされても、嫌われたと思わずに関係を続けて欲しいと思います。仲良くなるには誰でも多少の時間がかかります。彼らも同じです。また、親しさを示す方法もその人それぞれです。そして相手の年齢に適した接し方、この心配りがとても大切です。これは知的障害のある人に対するマナーだと考えます。

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今回、講師を務めてくれた浦野さんの元同僚だという柏瀬さん。
柏瀬さんもまた、知的障害のある人との接し方について、「年相応の接し方を心がけています」といいます。「また私自身も福祉施設で働いていて、職場にも知的障害のある人がいます。いわば同僚です。変にくだけた接し方をせず、きちんと“さん”付けで呼び、まわりと同じように接しています。これが礼儀であり、マナーなのではないでしょうか」

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恒例の一枚。

リンク:
シブヤ大学

過去のシブヤ大学マナークリエーション講座
第1回 「わたし、ダンスで人生変わりました」
第2回 「遠慮し合わないこと、声をかけ合うこと」