2020.10.21
実施報告:犬と地域社会のイベント「Hamacho Dog Fest」 ドッグセミナーvol.2「市民を守るワンちゃんについて学ぼう」

1010日が戌の日であることにちなみ、「犬をテーマに地域社会でつながろう!」と日本橋浜町で「Hamacho Dog Fest」が開催されました。メイン会場となったあやめ第一公園には、あいにくの雨模様にもかかわらず、64組およそ100名の方が来場。お子さまやワンちゃん連れの方で賑わうひとときとなったのです。

「市民を守るワンちゃんについて学ぼう」と題して行われたセミナーでは、地域の見守り役として活動している「わんわんパトロール隊」の紹介も。町内をお揃いのベストを着て散歩をすることで街の見守りを意識化し、犯罪の抑止や近隣住民の防犯意識の高揚を図る上でもとても重要な役割を担っているワンちゃんと飼い主さんたちなのです。

犯罪の起きにくいまちづくりを目指すこの取り組みは日本各地で行なわれており、日本橋浜町エリアで「わんわんパトロール隊」が発足したのは、ちょうど2年前。隅田川テラス内にあるドッグランを利用するメンバーが中心となって結成された「浜ランwanrun会」と近隣エリアを管轄する久松警察署とが連携し、活動が行われるようになりました。

_D3_0038のコピー

_D3_0043のコピー

「犬の散歩が防犯になるなんて、一石二鳥ですよね!」と目を輝かせていたのは、わんわんパトロール隊の存在をはじめて知ったという、セミナーの参加者。一方、実際にパトロール隊のメンバーとして活動している飼い主さんは「他の飼い主さんと犬たちと散歩するだけで、安心かつ安全なまちづくりに貢献できるのが嬉しい」と笑顔を見せてくださいました。

パトロール隊として活躍するメンバーの中にはかつて保護犬だったワンちゃんも数頭。「心にダメージを受けているからこそ、優しくおとなしい子」と、愛犬を撫でながら話すのは、飼い主さんの一人。大きな音などにびっくりして逃げ出さないように、首輪と2本のリードに加え、ハーネスをつけて万が一に備えるのは、ワンちゃんのためでもあり、地域の他の人に迷惑をかけないためでもあるそう。

_D3_0050のコピー

また、「浜ランwanrun会」では、ドッグランが犬や飼い主だけではなく、街で暮らすすべての人にとって気持ちのよい空間になるようにと、中央区の承認を受け、自主的にドックランの水の補充や清掃を実施。整った環境で犬達がストレスなく遊べるよう、飼い主のマナー向上にもさりげなく気配りをしているのです。そうしたことが、「浜町をお散歩しているワンちゃんや飼い主さんはきちんとしている」といったセミナーの参加者の声にもつながっているようです。

道路に面していた店舗や家屋の入り口が時代の流れとともにビルやマンションになり、路地への視線も届きにくくなった今。愛犬を連れての散歩は、街を見守る貴重な視線でもあります。その効果は、おそらく監視カメラ以上。犬も人間も、それぞれが住む町を見守り、声を掛け合い、お互いを認めあう。そんなまちづくりへの取り組みを垣間見ることのできるセミナーとなりました。

_D4_0159のコピー

写真:北浦汐見  文:堀朋子