2017.04.25
実施報告:市民大学マナークリエーション講座
日本橋街大學(1)「粋マナー、粋な笑い、知的好奇心」

4月15日、Tokyo Good Manners Projectは日本橋街大學と共同で『江戸の食 粋マナー講座 第1回「蕎麦」』を老舗蕎麦屋・室町砂場にて開催。ゲストにタベアルキストのマッキー牧元氏と落語家の柳亭小痴楽さんを迎えました。
牧元氏は講演で「食べている姿は誰よりも格好よく」とし、「蕎麦の場合、それは掬い方とたぐる(啜り込む)音。せいろの右下から掬い狙うとうまくいく。ワインのテイスティングのようにたぐる(啜り込む)ことで香りが立ち、おいしさがまします。音はそう、思いきって向こう三軒両隣に聞こえるくらいにやってみては」とマナーを教授しました。
柳亭小痴楽さんは『真田小僧』『時そば』を高座にかけ、江戸前落語で参加者をくすぐり、粋な笑いも誘ってくれました。参加者たちからの要望に応え、写真撮影タイムを快く引き受けてくれるなど、会場をさらに盛り上げてくれました。
締め括りは会食。『変わり蕎麦 桜切り』や『天吸い』など、この日のために用意された特別献立は室町砂場の粋な計らい。次々とはこばれてくる料理に舌鼓を打ちながら、この『蕎麦編』で食に関するさまざまな知的好奇心も刺激されたようで、次回も参加したいという多くの声をいただきました。

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(講演より)相席も多い蕎麦屋でのできごとです。私がせいろを食べ終え、去り際にお先に失礼しますと伝えたら、あとから座った年配の方から「お相席まことにありがとうございます」といわれたんです。粋ですよね。これもまたマナーだとおもうのです。その言葉には美しさと気品があり、見ず知らずの私を心地好い気分にしてくれるんですから。

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短く、わかりやすい噺と扇子を箸に見立てて蕎麦を上手にたぐる(啜り込む)所作など、落語芸のおもしろさで粋な笑いを誘いだしてくれた柳亭小痴楽さん。 そんな柳亭小痴楽さんは「気配りは作業になりかねない。ぼくは相手を配慮するための心配りに努めたい」と自分なりのマナーを心がけているそうです。

リンク:日本橋街大學