2017.05.02
実施報告:市民大学マナークリエーション講座
自由大学(2)「気づかない落とし穴。知識共有もマナーのひとつ」

Tokyo Good Manners Project(TGMP)と自由大学は4月22日、コラボレーション企画『Tokyo Good Ride』の第2回目(全5回)を開催しました。
 今回は1時間ほどのレクチャーライドからスタート。その先導は、夜の東京をゲレンデとして活動する自転車集団“NIGHT PEDAL CRUISING CREW”のメンバーたち。道中は自転車専用のナビラインの実情、また交通標識や駐輪場での思わぬ落とし穴など、自転車愛好家たちも見逃していた情報を共有しました。
 レクチャーライド後は、自転車マナーについて、さらにマナーブック制作への意見の落とし込みも行われました。 「自転車マナーを言い切り文章で載せても、単なる押しつけになるかもしれない」とマナーブックの色合いも議論。しかも自転車マナーにはグレーな不文律もあるといいます。
「取り上げる自転車マナーを自らが問い、そしてそれを受け入れるどうかを自分で判断する内容にしてみては?」との案。ほかの愛好家たちも「マナーは問い続けてこそ」と賛同。どうやらマナーブックのカタチが少しずつ見えてきたようです。

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東京の車道にどんどん設けられていく自転車専用のナビライン(写真左)。
しかし荷降ろしトラックなどの路面駐車で塞がれてしまう(写真右)ことが多いといいます。
これも課題のひとつだとしました。

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進入禁止の交通標識の9割が写真左。稀に“自転車を除く”の注釈がないケースも(写真右)。
これが落とし穴。写真右の道に侵入する場合、歩行者優先で歩道を走らなければならない。車道を走るのはNGだといいます。単なる見落としではなく、「ほとんど知られていないのが実情です。こういう知識の共有を広げていくこともマナーのひとつ」だと“NIGHT PEDAL CRUISING CREW”の森さんはいいます。

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盗難の8割は駐輪場で起きるそうです。
そしてここにも落とし穴が。
スタンドロックはあくまでも自転車を固定するため。今回訪れた駐輪場のように、スタンドに割り振られた番号を入力すれば、誰でも簡単にロックを解除できてしまう。。。そんな場所が多いそうです。
そこで二重ロックのススメ(写真右)。
地面に固定されたスタンドの一部と前輪、後輪をしっかりからめてがっちりロック。

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駐輪場のGood Manner。

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レクチャーライドから知り得た情報をもとに、今回も意見交換がヒートアップしました。
マナーブックの方向性では、自転車マナーをただ羅列するだけでは押しつけがましいという意見。
いろいろな自転車マナーを相手が好きなようにジャッジできるような、問いかけをメインとした内容にしていこうという案がでました。

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NIGHT PEDAL CRUISING CREWのメンバー。
左から清田さん、森さん、タローさん。
タローさんは愛車には鈴がついています。その理由を訊ねると、「迷惑にならない音で歩行者に対して自分の存在を示すことができ、そこから譲り合いがうまれるから」とのこと。
自転車のベル設置は義務化されていますが、“けっして鳴らしてはならない”が暗黙のルールであり、マナー。
参加した愛好家たちもこのアイデアにちょっとした眼差し。流行る予感??

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NIGHT PEDAL CRUISING CREW 森さんのコメント(談):駐車している車との距離が近すぎる乗り手が多いですね。訊くとやはりドアは開かないという思い込みをしている方が大半。その逆でドアがふいに開く可能性は高いし、ある程度スピードが出ているので避けられない。大きな事故につながってしまうし、自分では防げないんです。自転車を長く安全に乗るためには、ドアは開くものと常に意識しながら、さらに後方からの車にも注意を払うこと。そう心がけてほしいですね。

リンク:
自由大学

過去の自由大学マナークリエーション講座
第1回 「表参道~青山エリアの自転車マナーをつくろう自転車好きウェルカムイベント」