2019.05.16
実施報告:市民大学マナークリエーション講座 自由大学: Tokyo Midnight Manner

2019年2月16日土曜日、Tokyo Good Manners Project(TGMP)×自由大学のマナークリエーション講座が、表参道COMMUNE 2ndで実施されました。

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この回のテーマは、アーバンジェントルマンが備えるべき教養としての世の立ち回り方。スピーカーとして登場したのは銀座のママであり投資家、経営者でもある浅川夏樹さん。

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浅川さんは、一流クラブのホステスとして長年にわたり夜の銀座からを見つめ続けてきた女性。現在でも「お茶屋バー 銀座 八仙花を営む一方、店にやってくる要人達とのコミュニケーションを通じ獲得した会社社会/経済社会への鋭い洞察を生かし、投資家としても活動。関連誌へのコラム寄稿、投資ファンドの立ち上げなどその筋のプロフェッショナルとして活躍しています。

講義の間中、彼女が長いキャリアを通じて見つめてきた会社社会や人の世をめぐる知見の数々には、参加者からは「なるほど…」という声が絶えず、頷くことしきり。一つの考え方にこだわるのではなく、あらゆる観点からものごとを見つめて相対的に評価している人が多いのが、トップクラスの経営者たちに共通する、ものの考え方の特徴であるとのこと。オーナー企業か、あるいはグループ企業か、といった会社の出自によって異なる人事のあり方、またその下で働く企業人の出世の動向の傾向、ジェネラリストか、またはスペシャリストかによるキャリアアップの違い、起業する人としての適性などなど、様々なトピックにまたがった話でした。

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参加者が特に興味をそそられたのは、トップクラスの経営者が常日頃、資金調達についてどれほどまでに思い巡らせているか、という話。仕事であれプライベートであれ、自分のしたいことを実現するにあたり必要なお金をどう集めるのかを彼らはいつも真剣に考えているから、「あなたの本当にしたいことはなんですか。そしてどうやってその資金を集めますか」という漠然とした質問を不意に問われた際に、彼らは即答できるのだそうです。

一億円とは言わずとも、「1,000万あったら何に使おうか?」などと具体的な金額を設定して考えるということは、単なる絵空事ではなくて、突き詰めれば「自分は何をして生きていきたいか
「どういう人間でありたいか」という根本的な問いと大きく関わってくるのです。浅川さんがお茶屋バーを始めたのも、稼ぎが得られなくなった若年ホステスたちが路頭に迷う現状を少しでも救えればというのが一つの大きな目的でした。

最後には、投資そのものについての概論や心構えについても。損をし始めている段階における見切りのつけ方をめぐるメンタル論や、投資の対象ごとの特徴などについて、自身の体験談も交えつつ語られました。

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総じて、噛み締めて味わいたい発言・助言ばかり。企業人もフリーランスも、目まぐるしく変わり続ける今、そしてこれからを生き抜く上での大きな助けとなりえる学びにあふれた機会となりました。