分別から始まるリサイクル
燃やすごみは「リデュース」
ペットボトルはラベルをはがして、瓶や缶は中身をすすぎ、古紙は紐で縛って資源回収。東京で快適に暮らすための「リデュース・リユース・リサイクル」(3R運動)はこまめなごみの分別から。その成果は着実に数字にも現れている。2013年度の東京都全体におけるごみ排出量は457万1,648トン。2001年は552万142トンなので、12年間でおよそ95万トンも減少。23区で見ると、ごみが約487万トンも排出されたバブル期(1989年)に比べ、2015年は278万トン。なんと43%も「リデュース」している。

思い出のおもちゃも「リユース」
「リユース」と「リサイクル」の輪も広がっている。新宿区のリサイクル拠点「新宿リサイクル活動センター」では、小型電子機器・廃食油などの資源回収のほか、使わない日用品や衣類を預かり委託販売する「もいちど倶楽部」という活動を行っている。不用になった家具も回収・修理・清掃して販売。壊れたおもちゃを修理する「おもちゃ病院」には、家族の思い出がつまったオルゴールを持ってくる方もいるのだとか。大切なものを修理したり、必要とする誰かにバトンタッチしたり。センターへ持ち込まれる量も年々増えている。

「リサイクル」の元祖は江戸時代
さかのぼると、江戸時代には町民たちにリサイクル意識が根付いていた。徳川幕府が始まり、急激に人口が膨れ上がった江戸の町はつねにごみ問題を抱えていた。だから使えるものはなんでもリサイクル。古くなった着物も子ども用に仕立て直し、さらに風呂敷や下着、おしめや雑巾にして、最後は煮炊きの燃料に。桶や下駄、陶器は修理屋に出して最後まで使ったという。鉄や紙くず、ろうそくの燃えかすも専用の業者が回収して再利用するなど、江戸時代は「3R」が当たり前だった。現在、23区における資源回収量は55万1,666トン。ごみを分別して、資源はもう一度「リユース・リサイクル」。それが環境にも優しいTOKYO GOODだ。

データ
いつ始まったの? | 100万人都市だった江戸時代。 |
どこで見ることができるの? | 回収ボックスやごみの集積所は東京のいたるところに。 |
おすすめの時期や時間帯は? | 自治体によっては、ごみの分別方法や曜日がわかるアプリも配信している。自治体のリサイクル拠点センターも様々なイベントを開催しているので、ぜひチェックを。 |
数字的データ | 東京都のごみ収集量(平成25年度) 可燃ごみ:233万3,826トン 不燃ごみ:13万7,774トン 資源ごみ:59万1,007トン |
注意事項 | 衣類は洗ってきれいな状態にしてから、自治体のリサイクル拠点へ。それもマナーのひとつ。 |
取材協力:
新宿リサイクル活動センター、西早稲田リサイクル活動センター
参考:
東京都二十三区清掃一部事務組合「23区のごみ推移量」
東京都二十三区清掃一部事務組合「清掃事業年報(東京二十三区)別冊 平成27年度 リサイクル編」
東京都「東京都市区町村のごみ量の推移」
『お江戸でござる』杉浦日向子(ワニブックス)
『世界があっと驚く 江戸の元祖エコ生活』菅野俊輔(青春出版社)