2017.10.10
実施報告:市民大学マナークリエーション講座
日本橋街大學(10):江戸の食 粋マナー講座 第3回「天ぷら」

9月30日、日本橋街大學とTokyo Good Manners Project(TGMP)はマナークリエーション講座『江戸の食 粋マナー講座 第3回「天ぷら」』を老舗天ぷら・新宿つな八(別館 つのはず庵)にて開催。タベアルキストのマッキー牧元さん、落語家の林家つる子さんを迎え、講座×高座で受講者たちの知的好奇心と笑いを満たしてくれました。
マッキーさんは天ぷらの歴史や食べ方を解説したほか、自身がこれまでに好奇心で試してきた食材にハズレがなかったことから「天ぷらに合わない食材はないのではないか」とし、受講生たちに“試す”という粋をすすめました。また「冷めるとサクッとした食感が失われ、味わいが落ちる。池波正太郎さんもおっしゃっていました。親の仇に会ったつもりで、出されたらすぐ食らう」。これが天ぷらの作法、料理人へのマナーだとしました。
林家つる子さんは、前座時代に叩きこまれたという礼儀作法やマナーにまつわる話を笑いに乗せて語ったほか、「なにを食べているのか」というパントマイムクイズで受講者たちの想像力と笑いを掻き立てました。そして『みそ豆』『新聞記事』を高座にかけ、噺のなかで見せた粋な仕草の数々に受講生たちも拍手の連続。笑いと拍手で会場は大きな盛り上がりを見せました。
この日の会食は特別献立。『子持稚鮎』『大浅利香り揚げ』『走りきのこ色々』など変わり種や旬物の天麩羅に受講生たちも大満足。そして〆はかき揚げと白米。マッキーさんに倣い、まずは別々に堪能し、受講者全員が最後は粋な天茶漬けへ――。
「次回の粋マナー講座が早くも待ち遠しい」という受講生たちの嬉しいはやる気持ちも聞くことができました。

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天ぷらの歴史や食べ方をおもしろおかしく解説したマッキーさん。
講座の締め括りに、受講者たちに向けて謎かけをひとつ。
「天ぷらとかけまして、教室で答えのわかった子どもと解きます」
その心は――。
「挙げた手(揚げたて)がいいでしょう」

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「なにを食べているのか」というパントマイムクイズで受講者たちを楽しませてくれた林家つる子さん。高座では『みそ豆』『新聞記事』を口演。粋な笑いはもちろん、噺のなかで見せた粋な仕草の数々に受講者たちも称賛の拍手。

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林家正蔵師匠に弟子入りし、約5年に亘る前座時代に礼儀作法やマナーを叩き込まれたという林家つる子さん。「あいさつの仕方、お客様と接する際の仕草、お茶の出し方や差し替えのタイミング、食器の向き、お箸の扱い方など、身近な礼儀作法やマナーの基本を、師匠、言いかえれば海老名家からしごかれました。ひとつひとつに奥の深さを感じますし、また芸にも活かされています。礼儀やマナーはいろいろなことにつながっている、そう思います」

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「今日の講座、落語、食事をとおして得るものが多く、満足しています」という山中さん。食事中の身近なマナーについては、「お箸の扱い方など、所作を自分なりに心がけています。ですが、わからないことがたくさんあります。より正しい礼儀作法やマナーについて学びたい、そんな機会になりました」と語ってくれました。

リンク: 日本橋街大學

過去の日本橋街大學マナークリエーション講座
第1回 「粋マナー、粋な笑い、知的好奇心」
第2回 「伝統文化は遺産ではなく、日常生活で活かしていくもの」
第3回 「江戸情緒溢れる町並み佐原散策 ~神職に学ぶ参拝作法と古民家ランチ~」
第4回 「串打ち3年、割き8年、焼きは一生、好奇心も一生、笑いも一生」
第5回 「英語によるおもてなしをめざして。」
第6回 「ロールプレイングと掛け合いで会話力をブラッシュアップ」
第7回 「物の受け渡しとは機能と形状もしっかり考慮すること」
第8回 「Teaching Japanese Cooking in English!!」
第9回 「親子で学ぶ「箸の持ち方」とその心」