2017.11.30
活動報告:マナーの視点からダイバシティー&インクルージョン、バリアフリーを考えるイベントに参加

Tokyo Good Manners Project(TGMP)は、「マナー」の視点からダイバシティー&インクルージョンやバリアフリーを考える取り組みを行っており、その活動の一環として、11月4・5日に開催された「CHALLENGED SPORTS 夢の課外授業 in 第40回 渋谷区くみんの広場 ふるさと渋谷フェスティバル2017」、11月11日に開催された「超福祉展」のワークショップ「バリアフリーマップを作ってみよう」に参加しました。

CHALLENGED SPORTS 夢の課外授業 で車椅子バスケを体験
車椅子バスケ元日本代表・元Jリーガーが盛り上げ


11月4・5日の2日間渋谷区の代々木公園で行われた「ふるさと渋谷フェスティバル2017」にてCHALLENGED SPORTS夢の課外授業を開催しました。
講師には元車椅子バスケ日本代表の根木慎志氏、元Jリーガーの水内猛氏を迎え車椅子バスケ体験や フリースローチャレンジ、ボッチャ体験などさまざまな企画を行い、多くの子供たちが実際に車椅子に乗ったり触れたりする機会となりました。
TGMPブースではシブヤ大学との取り組みを紹介するパネルの展示や渋谷区のバリアフリーマップなどを 配布しました。

171111_02
171111_03
車椅子バスケ元日本代表、元Jリーガーを講師に、ボッチャ対決や⾞椅⼦バスケ教室を開催しました。

171111_04
TGMPブースではシブヤ大学と共に取り組んだマナー視点から考えるダイバーシティ&インクルージョン、バリアフリー講座のパネルを展示しました。

超福祉学校で授業を開講
科目:バリアフリーマップを作ってみよう


福祉はカッコイイ、カワイイ。そんな印象と気づきを東京オリンピック、そしてその先の未来へとつなげていく「2020年、渋谷。超福祉の日常を体験しよう展」(11月7日~11月13日開催)。渋谷ヒカリエをメイン会場に、また渋谷駅界隈にもサテライトブースを設置し、最新テクノロジーの展示や体験、トークショー、シンポジウム、さまざまなワークショップが展開されました。
今回、第4回目となる超福祉展にはTGMPも協力。11月11日にケアコミュニティ・原宿の丘で開校した1日限定の「超福祉の学校」では多彩な科目が用意され、そのひとコマとして実施されたオリンピック・パラリンピック等経済協議会のプログラム「バリアフリーマップを作ってみよう」にTGMPも協力しました。参加してくれた親子は裏原宿周辺でフィールドワークをかけて、実際に車いすに乗って障がいのある方の視点やアシストを体験したり、タブレットを用いて街に点在するバリア情報を調査、集積したり。さまざまな気づきや学び、アイデアが集まり、それをもとに活発な意見交換も行なわれるなど、集められた情報や意見はどれもバリアフリーマップ制作の有意義な素材となりました。
「意識すれば、バリアは至るところにある。そのことに驚いた」「体験したからこそ、アシストもできる。今後は自分のできることからはじめたい」など、障がいのある方の視点をとおして“考える”というきっかけにも。また、「路上で座り込みをしない、歩行者通路を塞ぐような自転車駐輪をしない。ちょっとした気遣いや心配りがバリアフリーにもつながる」など、マナーから広がるバリアフリーの発見もあったようです。

【フィールドワーク】
171111_05
歩行する際は気にならない程度のボコボコ道。車いすでは振動が激しく、また小さな溝にタイヤをとられて操作しにくいというバリアを体験。

171111_06
171111_07
安全確保のための歩車分離。しかしながらとても狭く、人と車いすがすれ違うことができないここもバリア。バリアフリーではその幅に1.8m以上が求められています。

171111_08
171111_09
3cmほどの段差。車いすではアシストがなければ越えられない。

171111_10
171111_11
メモ用のバリアフリーマップに気づきやアイデアを記載していく子どもたち。

171111_12
バリアフリーマップをよりわかりやすくするため、バリア情報を写真撮影。

171111_13
専用ソフトを利用し、傾斜などを計測。国土交通省のバリアフリー法では傾斜5度以下をバリアフリーと定めています。ある坂道で計測してみると8度。

171111_14
傾斜8度の坂道を車いすで。「数メートル進むだけで腕がパンパンになった」。またアシストする側も「押す腕力にすぐ限界がきて支えきれなくなる」。そのキツさを体験しました。

171111_15
気づきや学び、アイデアをマップに反映。

171111_16
集められた情報をもとに活発な意見交換も行われました。参加者のひとりから「視覚障害者誘導用ブロックが車いす利用者にとっては障壁になってしまうケースもあるのでは?」という意見も。

171111_17
完成したバリアフリーマップは、フィールドワークのひとつのカタチとして参加者たちに手渡されました。

171111_18
ワークショップの冒頭で行なわれた講演。水泳競技選手としてアテネオリンピック・パラリンピック(2004年開催)に出場した元パラアスリート・杉内周作氏を招き、パラリンピックへの想いを語っていただいたほか、視力に障がいを持つご自身の体験も語り、参加した親子はバリアフリーマップ制作への理解を深めました。

171111_19
『バリアフリーマップを作ってみよう』には多くの親子が参加してくれました。
171111_20
『バリアフリーマップを作ってみよう』に参加した感想をお聞きしました。
「歩行者通路に座り込む、行列があふれている、自転車をむやみに停めてしまう。でもこれらは自らの意識で解消できること。必要なことはちょっとした気遣い、心配り。他の歩行者に対する意識がバリアフリーやマナー向上につながると思います。2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、誰かに言われた、ではなく、自ら動く察知力を高めていくことも必要ではないでしょうか」