2018.04.20
実施報告:市民大学マナークリエーション講座 シブヤ大学:「みんなでお茶しない?〜バリアフリーってなんだろう〜」

20175月に開催した、Tokyo Good Manners ProjectTGMP×シブヤ大学のマナークリエーション講座『車いすでお茶しない?』の続編企画が満を持して開催されました。前回は、参加者が実際に車イスに乗って街歩き体験をするというプログラムを予定していましたが、生憎の大雨のためフィールドワークは泣く泣く中止。その悔しさを受けて、今回は約1年越しのリベンジとなりました。車イスユーザーだけでなく、聴覚に障がいのある方、視覚に障がいのある方にも先生としてご協力頂き、参加者がチームに分かれて渋谷の街を障がいのある方の視点になって散策。普段は気がつかない発見や課題が次々と浮き彫りとなり、「ほんとうのバリアフリー」について熱い議論を交わしました。

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授業の冒頭は、先生方の自己紹介から。車イスユーザーの立場からは、大塚訓平さん、是永小百合さん、室住二三夫さん、聴覚障がいの立場からは、佐々木崇志さん、竹本真悟さん、mikakoさん、視覚障がいの立場からは、川口育子さん、嵯峨野新次さん、石井喜美江さん、の総勢9名の先生が、ご自身の活動内容や日常生活の中での「あるある」エピソードをお話してくれました。

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車イスユーザーで、NPO法人アクセシブル・ラボ代表理事の大塚さんは、「全国に身体に障害のある方は約400万人います。その中で車イスを必要とする方は約200万人といわれています。かなり多いと思いませんか?ところが、渋谷の街を歩いていても分かると思うのですが、街中で車いすユーザーに出会う機会って少ないですよね。それは、ハード面はもちろんのこと、ソフト面でも車イスユーザーにとって解消されていない課題が多く、そもそも街に出ることを諦めてしまうからなんです。それが具体的にどういうことなのか、実際に僕たちと街に出てみて体感して欲しいです」と今回のプログラムへの期待を語りました。

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自己紹介が終わったところで、さっそく3つチームに分かれて、渋谷の街へ繰り出します。大塚さんチームは、授業の会場である「美竹の丘」から明治通りを経由して、スクランブル交差点を目指し、渋谷駅をぐるっと廻って会場に戻ってくるというコース。大塚さん先導のもと、参加者が交代で車イスでの移動を体験したり、視覚障がいのある嵯峨野さんとペアになり白杖を持ってみたりと、障がいのある方の視点に立ち、雑踏と人混みの街をゆっくりと練り歩きました。

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_X2T7098 1時間ほどの街歩きを終えたら、次は参加者全員での振り返り。チーム毎に発見をポストイットに書き出して行くのですが、次から次に出てきました。

実際に出てきた意見を羅列すると、

「車イスに乗った時は目線が下がるので、人混みの中での圧迫感が強い」

「歩行者の歩きスマホが本当に危険」

「耳に入ってくる情報がかなり大切」

「点字ブロックに従って歩くと、曲線がないので、距離が増える。」

「進行方向に向かって存在する傾斜だけでなく、その左右にも傾斜が存在する」

「点字ブロック足では感じられるが、白杖だと意外と分かりづらいもの」

などなど。

健常者の立場での毎日の暮らしからでは、想像することが難しい気づきがわずか1時間の街歩きで数多く得られました。

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その中でも、意外な気づきだったと参加者の多くが共感した意見がこちら。

「視覚障がいの方にとっては情報を感知する大切な手がかりとなる点字ブロックや横断歩道前の段差などが、実は車イスユーザーにとっては大きな障害となること」

この気づきはまさに、「車いすユーザー」や「視覚障がい」など、様々な立場になって疑似体験したからこそ見えてきた大きな収穫でした。

「ユニバーサルデザイン、バリアフリーを考える上で、とても大切な視点だと思いました。健常者と障がい者という区別だけでなく、障がい者の中でも、その障がいは多様なんですよね。誰にとっても使い勝手がよく、優しい環境になっているのか。バリアフリーを考える上で、常に心に留めておきたい視点、検証しなければいけない視点だと思いますね。」と大塚さん。

そして「すぐに解決策が出てくるわけではないですが、今日皆さんが感じたことや気づいたことを、皆さんの友人や知人10人に伝えてあげて欲しいです。身の周りの社会から、まずは意識を変えていくことが大きな一歩なので。ぜひお願い致します」と授業を締めくくりました。

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最後は、参加者全員で集合写真。

今日は一日お疲れさまでした!

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