2018.07.23
実施報告:市民大学マナークリエーション講座 丸の内朝大学(3):『いちから始める風呂敷クラス講座』

6月5日、丸の内朝大学の『いちから始める風呂敷クラス講座』が有楽町の交通会館6FのLEAGUE有楽町で開催。マナークリエーション講座の一環として、Tokyo Good Manners Project(TGMP)も協力しました。
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たった1枚の布でありながら、どんなものにも沿う柔軟さと機能美、そして用の美を備えた風呂敷。そんな風呂敷を通して、日本人が育んできた生活文化や、そこに秘められた知恵、豊かで温かい日本人の心を再発見するという内容で全8回のプログラムで展開された本講座。

この日は、最終回。それまで座学を中心に、風呂敷が生まれた文化的背景や基本的な包み方、構図やデザインの設計などを学んできた受講生が、前回の講座ではフィールドワークとして「染の里 二葉苑」にてオリジナルの風呂敷作りに挑戦。最終回は、クラス内でその制作発表の場となりました。

まずは、受講生に先んじて、デモンストレーションとして、講師のつつみ純子さん(風呂敷文化研究家)から作品の発表。四隅にそれぞれ配された色鮮やかな図版がとても印象的で、その完成度の高い風呂敷を前に、受講生からは感嘆の声が上がりました。それぞれの図版が、市松模様、花火、秋草、雪の結晶と、1枚の風呂敷の中に春夏秋冬を表現しているそうで、季節に合わせて、包んだ時に前面に配する図版を組み合わせるのだとか。

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受講生らの作品も、おしなべてレベルが高く、先生もびっくり。あえて大柄のデザインとビビッドな色使いを選んでみたり、直線的なデザインと曲線的なデザインを織り交ぜて、包み方次第で印象を変える工夫を盛り込んでみたりと、受講生それぞれの個性やセンスがしっかりと詰まっていました。

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最後は、贈答用の包み方をつつみ先生が皆に伝授。一番見せたい柄を前面に綺麗な菱形で持ってくる方法を丁寧に解説しました。そして包んだ風呂敷を持ち歩く所作まで披露。“平包み”された風呂敷は、布の先を抑えて歩き必要があるため、自ずから、脇が締まり背筋が伸び、美しく見えるのだといいます。風呂敷にはそんな効果まで秘められていたのですね。

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「風呂敷には、人との縁といったものを殊更大切にする日本人の心の美しさの真骨頂が詰まっていると思います。図版や包み方、持ち歩き方など、風呂敷とは、そこはかとなく、相手を思いやる心遣いの文化なんですね。まさに日本人のマナーの原点のようなもの。小さなところからでもよいので、これからは、ぜひ、日常生活でも風呂敷を取り入れてみて下さい」 と、最後につつみ先生が講座を締めくくりました。