2018.08.10
実施報告:市民大学マナークリエーション講座 シブヤ大学:『ひとを読む〜ヒューマンライブラリー入門講座〜』

_X2T9264Tokyo Good Manners ProjectTGMP×シブヤ大学のマナークリエーション講座『ひとを読む~ヒューマンライブラリー入門講座~』が2018721日に、千駄ヶ谷社会教育会館で開催されました!

ヒューマンライブラリーとは、2000年にデンマーク発祥の取り組みで、「人」を貴重な物語が詰まった「本」と見立てて、参加者(=読者)とおよそ30分間の対話を通して、互いを知る取り組みです。「本」役を担うのは、社会で「マイノリティ」と呼ばれる方々で、「読者」役は参加者である私たちで、「司書」役が主催者という建て付けで開催されるのが一般的とされています。

今回は、「ヒューマンライブラリーの伝道師」との異名を持つ坪井健さんを先生に招き、ヒューマンライブラリーの成り立ちやその効果について講義して頂き、その前後に5名の「本」役の方に協力頂き、ヒューマンライブラリーを実施しました。_X2T9361ヒューマンライブラリーの形式は、「本」の方1名に対して、5名ほどの参加者が円形に座り、30分間の対話をします。_X2T9406「本」役が一方的に話を進めるのではなくて、途中途中に読者が質問や素直な感想などを「本」に投げかけながら、有機的に、能動的に、「本」を読み解いていくスタイルです。

この日の「本」役の5名は、それぞれ、周囲には理解されにくい難病を患いながらも恋愛をあきらめない女性、ホームレス生活でありながらもダンスを通じて自己表現を続ける男性など、社会の不寛容に抗いながらも、前向きに生きているエネルギッシュな方々。参加者はそれぞれのエピソードにじっくりと耳を傾け、彼らの胸の内に寄り添い、それぞれの物語を理解しようと真剣に「本」と対話をしていきました。_X2T9322坪井先生の話によると、ヒューマンライブラリーは、普通の読書体験とは違い、顔を合わせ、膝を付き合わせて、対等かつ親密な会話を行うことで、偏見を低減させる効果があると言います。

病名や事実を記号的に理解するだけでなく、ヒューマンライブラリーを通じて、その病と実際に闘ってきた人の息づかいや思いにダイレクトに触れることで、読者の行動にリアルな変化を促すことができるそうです。

実際に生きる人物の話を「本」と見立て、参加者がそれを能動的に読み解いていくヒューマンライブラリー。 それは「読者」にとっても、相手の話を聞くと同時に、自らの生き方や考え方を改めて問う貴重な体験でもあります。

みなさんもぜひ、「ヒューマンライブラリー」体験してみませんか?