2018.09.22
実施報告:市民大学マナークリエーション講座 シブヤ大学: 「武士が切り盛りするゲストハウス ハンディキャップでお・も・て・な・し」

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Tokyo Good Manners Project(TGMP)×シブヤ大学のマナークリエーション講座『武士が切り盛りするゲストハウス ハンディキャップでお・も・て・なし』が2018年8月23日に、千駄ヶ谷社会教育会館で開催されました!

今回の講座で取り上げたのは、鎌倉で武士が切り盛りしていると話題のゲストハウス「彩(いろどり)」。車イス用のスロープや多目的トイレやシャワーが完備された鎌倉唯一のバリアフリーなゲストハウスであり、障害のあるスタッフを積極的に雇用し事業を運営していることも大きな特徴です。

武士でありゲストハウス「彩」代表の高野朋也さんが講師として登場し、活動のきっかけやその活動内容を集まった生徒達に熱くプレゼンテーションしました。

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高野さんが障害のあるスタッフと一緒に、バリアフリーなゲストハウスを作ろうと思った原点は、福祉の仕事に就いている時に特別支援学校で出会ったという重度心身障がいのある高校生との交流にあったといいます。

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ウェルドニッヒホフマン病という難病で、人工呼吸器をつけた暮らしでしたが、わずかに動く手先を使って小説などを作り、周囲の反対を押し切り、定時制の高校に入り、大学の法学部で勉強しながら弁護士を目指す彼の前を向いて生ききる姿に心を動かされ、障害の重い軽いに関わらず、生き辛さを感じている人らが輝ける未来を彼らと一緒に創ることを決意したのだそうです。

その手段の一つとして、障がい者も健常者も分け隔てなくコミュニケーションできる「場」があったらよいのではと思いついた高野さん。試行錯誤の果てに、ツーリストが多いわりには、バリアフリーの宿泊施設が皆無であった鎌倉にゲストハウスを作ることになったのだとか。

いまや障害のあるなし関係なく、健常者や外国人旅行客も多く利用する人気のゲストハウスとして定着し、地域住民まで巻き込んで、あらゆる個性を受け入れる温かい交流の場として多くの人から愛されていることが活動写真の数々から伝わってきました。

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高野さんが語っていた、「おもてなしとは、相手に対して表裏のない心で思いやり、対等な立場で対応すること」という言葉がとても印象的でした。

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おせっかいではなくて、相手の、人としての意志を尊重すること。
グッドマナーとも通底している基本姿勢であり、高野さんの人に対する優しさが伝わってきました。

鎌倉に旅行の際には、ぜひとも宿泊してみたい素敵なゲストハウスの物語でした。

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